- 大内はAモードによる前立腺診断を進める一方で、Bモードの応用にも取り組んだ。断層像を得る方法としては、先にWildが試みたPPI法(ラジアル走査法)を採用した(前ページ図)。探触子の位置を1点で固定し、そこを中心に回転させる方法である。
- 大内は経直腸的に走査するためのPPI用特殊探触子を独自に試作した。これは振動子を回転させるため内外2筒からなり、内筒の先端に振動子が装着され、軸と直角の方向に超音波ビームが装着される仕組みになっている。
- 実験はコンニャク、うさぎの胃壁、前立腺の摘出標本などで重ね、断層像が得られることを確認した上で、正常人に使用し膀胱壁から腹壁にかけての超音波断層像を描出した。
- 生体内の断層像を体腔内走査で、しかも診断価値のある画像として描き出したのは、これが世界で最初である(左写真)。その成果は1963年の第4回日本超音波医学研究会などで報告されている。
□イメージ3
ラジアル走査法で得られた世界初の前立腺膀胱部の断層像
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