【著者略歴】 飯沼 武
1933年 11月1日生
1956年 東京大学工学部応用物理学科卒
1956年 東京大学工学部助手
1958年 放射線医学綜合研究所物理研究部研究員
1973年 放射線医学総合研究所臨床研究部医学物理研究室長
1994年 放射線医学総合研究所重粒子医科学センター定年退職
1994年 埼玉工業大学基礎工学課程教授
2002年 埼玉工業大学定年退職
現在 放射線医学総合研究所医学物理部名誉研究員
この間、各種の医用画像診断装置、とくに核医学装置、X線装置、
コンピュータ断層装置(CT)、磁気共鳴診断装置(MRI)の研究開発。
また、がんの放射線治療、とくに重粒子線がん治療の研究にも取り組む。
最近は医用画像を用いる癌検診の研究に関係している。
資格: 工学博士、医学物理士


 昭和31年に東京大学卒業後、大学に残り西野先生の放射線計測研究室に入られた。先生のご紹介で電気試験所に出向し、伊藤岳郎、田中栄一の両先生のご指導を受けた。その後、放射線医学総合研究所に移り、続けて田中先生の研究室でHuman Counterの研究を行っている時に、永井輝夫先生と人体内の40Kや137Csの代謝を研究したのが臨床医学への参入の始まりである。
 永井先生とはシンチスキャナの画像をデジタル処理し、ぼけ修正を行い鮮明な像にする研究を世界で最初に行われた。その後、東芝と横断シンチグラフの共同研究を行い、CTの発明と同時に画像再構成法を開発された。「医学物理士として医用画像工学の黄金期に関与したことは誠に幸せである」と言われる。