前のスライドで述べたように、治療効果の評価には、癌の制御だけでなく、治療を受けた人々のQOLを評価に加えなくてはならないでしょう。そのためには放射線治療計画関連のスライドで示されたDVH(線量-容積ヒストグラム)のような観念を化学放射線療法にも設定することが必要です。これなしにはインフォームドコンセントは得られず、臨床試験ができなくなる時代が到来するでしょう。 また構想の段階ですが、PETが治療効果の予測に活用されているように、治療後の副作用発生の予測も早期に確実に判定できて、適切な治療措置がとれるような診断法の開発が必要と考えます。予測と結果の照合を行いながら臨床試験を行い、結論が出ればなるべく早く試験を終了して犠牲者の発生を防止してもらいたいと考えます。先日の新聞記事のような、イレッサの治験では事前の説明が不足であったなどという言い訳は今後は許されなくなると思います。
(77/91)