このスライドは放医研で前立腺癌の重粒子線治療を受けた患者豊田博慈氏が公開しておられるインターネットのホームページの一部です。豊田氏は物理学者できわめてよく放医研の重粒子線治療の実際を勉強し理解されました。そして御自分の病気である前立腺癌について、診断と治療の経過について、実に詳細に記述しておられ、まるで大学での臨床講義を聴いているような感じをうけます。豊田氏は同じ病に悩む人々のためにと、プライバシーを放棄した形で、医療情報を公開しておられます。ことに私が注目したのは受けた治療についての感想が詳細に記述されていることです。これはつまり医療の評価に他なりません。ここまで対応された放医研の医療チームの誠実さにも敬意を表します。そして実に多くの方々がこのホームページを読んでおられるのに驚きました。 病歴の開示や個人情報の保護については、議論が繰り返されているわりには、医療側の対応が進んでいない感じを私は持っています。ことに日本医師会の対応の遅いのには失望しています。情報を共有しなければ本当の意味での医療改革つまり患者の視点からの改革は実現しないだろうと私は思います。
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