前のスライドで肺癌の治療はまさに真剣勝負と申しましたが、放射線治療が精密になるほど、実際に治療が計画とおりに行われたがどうかの検証が重要になります。重粒子線治療のように、半影のないビームでシャープな線量分布で照射が行われると、このスライドに示すように、照射の跡がハッキリとCT画像に残ります。これはまさに治療の証拠物件であり、治療が計画どうり正確に行われたかどうかを検証できるのです。従来のX線治療ではビームに半影があることや、透過性があるためにこのようなシャープな痕跡は残りません。 今後の医療では行われた医療の証拠を残すことが非常に重要になるでしょう。その意味で陽子線治療や重粒子線治療はX線よりはるかに優れているといえます。
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