脳に発生するグリオーマは、すべての悪性腫瘍の中でも、もっとも治療が困難な腫瘍でありました。部位が人間の尊厳を象徴する臓器であるために、治療は慎重の上にも慎重な態度で行われています。そのため重粒子線単独による治療試験は最近ようやく開始されました。その結果がスライドに示されています。Astrocytoma Grade2の重粒子線治療成績は、照射線量がが50GyE以下では、従来の治療成績とほとんど変わらなかったのですが、線量を55.2GyEにアップすることで、治療を受けた5症例の全部が生存しています。この成績はまだ始まったばかりの臨床試験の途中経過ではありますが、今後大いに期待される成績であります。
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