このスライドは放射性ビームを用いるスポットスキャニングにより、種々の深さにテストパターンを照射した実験です。スポットは3mm間隔で、各図形は2cm間隔の深さに配置されています。それぞれのテストパターンの深さに断層面を合わせたPET画像を見ると、きわめて鮮明に照射されていることが分かります。 人体の構造は複雑ですので、ビームの到達点は実効厚さで変動し、治療計画で想定された位置からずれる可能性があります。この治療法では標的の各点について、ビームが計画通りの位置に到達したかどうか、そして計画通りの線量がその位置に照射されたかどうかををPET観測により確かめることができます。予備照射を行い、治療条件を精密に再調整して本番の照射を行えば、最高精度の治療が可能になり、行われた治療の実データつまり証拠を確実に記録することができます。もちろん人体の動きに合わせた補正も組み込まれるでしょう。
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