以上にお話ししたことをまとめた上で、未来を展望するとスライドのようになります。最近の医療技術の進歩の中でももっとも大きな成果を挙げたのは医用画像技術とデータ処理技術でしょう。放射線治療はこの両者にもっともよく適応できる癌治療であります。 放射線治療の欠点は、放射線の照射を受けた組織が残るために、長い年月の経過の後に種々の後遺症が発生する可能性があることです。スライドの3番目に挙げた損傷を受けた器官や組織の修復というのはその意味であります。スライド7でお話ししましたように、海老原先生に代表される機能修復外科の進歩のおかげで、重篤な後遺症もかなり修復されるようになりましたが、更に飛躍的な発展を期待しております。この不安が取り除かれた時には放射線治療は癌治療の主流となるでしょう。 今後の医療では、医療側と患者側が情報を共有し、相互の理解の上で医療を実行するいわば共同作業になるでしょう。この作業で現在もっとも進んだ段階にあるのが放射線治療であると私は考えております。スライド80-82に示した豊田さんのホームページはその状況をもっとも分かりやすく示しておられたと思います。 以上をとりまとめた上で、あらためて放射線治療の未来を展望すると、私は明るいと考えておりますが、皆さんは如何ですか。
(90/91)