肺気腫は診断がついても修復不可能な病態であります。しかも肺気腫は高齢者の活動力を著しく弱めるのです。見方によっては肺気腫の予防は、高齢者にとって肺癌の予防以上に重要ともいえるのです。 CT検診が始まってからまもなく明らかになったのは、症状発現前の状態の肺気腫が容易に発見されることでありました。この時期に禁煙等の生活指導を徹底すれば、肺気腫の進行を防止し、より明るい老後を送れて、肺癌のかなりの部分を防止できると思われます。CT検診は癌の二次予防だけでなく、一次予防に重要な役割を果たすでしょう。
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